昔なつかしい町の物売り

 毎朝7時に、「ソバコーン」「ソバコーン」という掛け声。「バンミー・サイゴン・・(モニャ、モニャ・・)」。ベトナムでは、昔懐かしい物売りの声が、聞こえる。自転車に乗せたり、手押し車に乗せたり、天秤棒で担いだり。いろいろな物売りが路地を通っていく。「ソバコーン」というのは、「ソイ(おこわ)とバッ(とうもろこし)はコーン(いらんかねー)」という呼び声。「バンミー・・・」というのは、サイゴン風のパン。もちろん、野菜売り、くだもの売りも通る。こちらは、たいてい天秤棒で担いでいる。野菜売りは、ただ「ラウー(やさいー)」と味気ない。ブンなどの麺類やワンタンみたいなものも、天秤棒でめんつゆ、皿まで担いで売っている。
 チリン、チリンと鐘を鳴らしながら行くのは、日本と同じアイスキャンディー屋。豆腐屋も行く。ただし、こちらでは絹ごし豆腐に甘いたれとレモンをかけて、おやつに食べる。
 食べ物だけでなく、ほうき、ちりとり、おもちゃ、何でもある。物売りはたいてい女だが、こちらの方は男もいる。冬には肉まんを火で温めながら売っている。こちらも男。
 私が子どもの頃、朝「きみえー、あさりえー」という声が聞こえた。貝売りで、「きみえー」と聞こえたのは「しじみえー」だった。いつも乳母車で魚を売りに来るおばさんがいた。(きしのおばさんと言っていた)あじとさばしか持っていなかったが、安くて新しく、「家族7人分で100円」と母が言っていた。時々小エビを持っていて、エビの皮をむいてくれながら、母と世間話をしていたのを思い出す。
 ベトナムは私たち日本人にとって、懐かしい、貧しいけれど古きよき時代を思い出させてくれる。
(今、写真がアップできません。今度通信のいい時にアップします)

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